Saturday 6 February 2010

その後のサマリー

それから、ミミはちんげん菜、小松菜、さらに人参に白菜と野菜もよく食べるようになって、12月初めには意外なくらいあっさりと離乳に成功しました。懸念されていた器からの水飲みもこれまたあっさりクリヤー。そして・・・
2010年1月1日の夜、ケージから出してスキンシップしてたミミが突然脱走。高さ70センチのハースゲートを軽々と飛び越えファイヤースペースへ。幸いやけどや怪我をすることなく保護されましたが、この時、私はミミに何かを感じました。翌日、裏の公園で子供たちと凧揚げをしていた時、これまで一生懸命ミミの世話をしてきた8歳の息子が「ああ、ミミをここで放してやりたいなあ」といいました。息子も私と同じことを感じていたのかもしれません。体調もいい。食欲もあり、食事には事欠かない休耕期。公園の周囲には雑草で覆われた畑がひろがっていました。天敵の鼻も利きにくい冬に、野生の息吹をミミの中に感じたのです。ウサギは離乳とともに母うさぎから独立しなければなりません。きっと生きる術は心得ているにちがいありません。「放してみるか?」息子は真剣なまなざしでうなずきました。
ミミを入れた段ボール箱を公園の真ん中に置いてやさしく横にしてあげると、広すぎる世界にミミは後ずさりします。しかし、干し草ではない、瑞々しい草の香りに鼻をヒクヒクさせて一歩、また一歩、本来のフィールドに帰って行きます。

しばらく少し離れたところで見守っていましたが、園周囲をモソモソ動き回りながらフンをしているばかり。このままではカラスなどの天敵に見つかってしまうかもしれません。

「がんばれ!がんばれっミミ。ほらったら、走れ!」息子が手を振り回すと初めてピョンと跳ねました。そのまま息子の伴走に加速しながら公園の外へ。


畑の雑草の中へ分け入って行く息子たちに見守られながらミミの身体が雑草の海から出たり入ったり小さくなっていきました。

 息子は大きいお兄ちゃんに肩を抱かれて讃えられながら帰ってきました。顔を涙でぐちゃぐちゃにして。お兄ちゃんも泣いています。
あの小さかったミミは息子たちに大きなプレゼントを残していってくれました。「春になったら新しい家族でも連れて遊びに来てくれるさ。」そう言って息子たちをねぎらいました。きっと厳しい寒さも柔らかい畑に穴を掘って乗り越えてくれることでしょう。息子たちも今日を乗り越えて大きく育つにちがいありません。

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